梅しごと


雨雲と緑の葉に覆われ、林がいよいよ鬱蒼としてくる頃は、あのうつくしい、
青梅たちと出会う季節。

今にも雨のこぼれてきそうな陰鬱とした空模様の日こそ、梅しごと日和。
台所に青い梅のある空間にただいるだけで、その色と香り、ころんとまあるい存在感に、呼吸がふかまり、こころがしずかになってゆく。

だけど越生の青梅が1キロ袋で並んで売られているのと出会うと、ちょっとだけ、めんどうくさい気持ちになる。
ああ今年も立派だね‥また出会ったからには梅しごとをしなくてはならない。。
と、べつに義務でもないのにおもうのは、あの梅しごとのよろこびと、できあがったものの味のすばらしさを知ってしまったから。そしてその佇まいのうつくしさよ。
ああ今年も梅しごとができる。といううれしげな気持ちと、そこはかとない煩わしさとがあいまって、梅と今年も関係をもってしまう。
まんまと、梅カルマ。

梅を流水であらい、きれいな水に浸したり、アルコールと氷砂糖のなかに浸したり、なりくちのところを楊枝でとりのぞいたり、お鍋に入れて小さな火にかけて煮たり、そのどの仕事も、もう間違いなく、それはなるべくしてなっているというか、もうなんというか、すばらしく洗練された治療をうけているような感じがする。
梅ジャムを作るとき、梅をすこし煮たあとに実をはずし、種についた実を水に浸しながらとってゆく作業は、その極みだと感じる。
そのとき奇しくも雨の降りはじめる音がして、窓のむこうの林がいちだん暗くなる、そんな年もある。
梅の水に指をひたしながら、そのすべてを感じるひとときは、大袈裟でもなく、
十二ヶ月のうちで最も、こころの鎮まるときかもしれない、といつもおもうのだ。


梅ジャム

青梅をビニル袋から取り出し、しばし眺める
あまり触りすぎないこと
青梅をボウルに入れて水でさっと洗い、水気をとり、なりくちの黒い部分を楊枝でそっととりのぞく
お鍋に梅とたっぷりの水を入れ、弱火にかけ、青梅の色がかわってきたら火をとめ、そのまま冷ます
水をきり、おおまかに手早く実をとる
種についた実を、きれいな水にひたひたに浸し、丁寧に手でとってゆく
深呼吸
浸した水ごと、おおまかな実と共に鍋に移し、煮立てすぎないように混ぜながら火をいれる
頃合いをみて、青梅の重さよりすこし少なめていどの砂糖を加え、5分ほど煮詰める
熱いうちに清潔な瓶に移し、保存する













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